
私の理念
『相続』とは本来、どのようなものでしょうか?
今までの人生のバトンを次の世代に引き継ぐ。そして、幸せな生活をこれからも送ってくれることを願う。
もし余った財産があれば、それを引き継ぎ、残された家族が幸せになるために使ってもらう。
そういったものだと私は思っています。
しかし、実際はどうでしょうか?
昨今マスコミが不安を煽りすぎるせいかも知れませんが、『相続』という言葉を聞いてイメージするのは、『争い』や『トラブル』など、負の言葉の方が多いと思います。
あまり幸せなイメージではありませんね。
事実、相続がきっかけで家族内での争いが起こり、家族の絆が壊れてしまうというのはよくある話です。
残された財産は、本来家族がより幸せになる為のもの
これを見ているあなたも、きっと耳にしたり目にしたりしたことがあるはずです。
残された財産の分け方を巡って、争いが起きてしまう。
本来であれば、残された財産というのは家族がより幸せになる為のものです。
より潤いのある暮らしのために使って欲しい、より豊かな教育のために使って欲しい、より安らげる住まいのために使って欲しい。
そう思って、親はこども世代に財産を残します。
しかし、それが原因で残られた家族の絆にヒビが入り、最悪の場合、粉々に砕け散ってしまう。
「もう二度と会うものか!」
といがみ合い、今までは毎年顔を会わせていたのが一切なくなり、不仲な関係が生涯続く・・・。
これが、故人の望む未来なのでしょうか?
私は、違うと思います。
取り返しのつかない争いが起こる原因
財産を残す側としては、
「〇〇にはこうなって欲しいから、これだけの財産を残したい」
という想いがあるはずです。
しかし、相続の時に問題が起こってしまう家庭というのは、家族にこの想いが伝わっていません。
なかなか生きている間に「私の財産をこうして欲しい」と伝える機会はないからです。
財産を引き継ぐ側も「親にお金のことは聞きにくい」と考えてなかなか聞くことはできなかったりします。
そして、お互いにコミュニケーションが取れないまま相続を迎えてしまう。
そうすると、そこに引き継がれた『想い』はありません。
その結果、目先の利益だけにとらわれて、
「私にはこれしかくれないのか!」
「兄、姉だけずるい!」
と取り返しのつかない争いが起こってしまう可能性が高くなってしまいます。
相続で一番大切なものとは?
しかし、事前に家族内でコミュニケーションが取れていて、その『想い』を共有できていたらどうでしょうか?
親というのは、子には幸せになって欲しいものですし、子というのは親に感謝をしているものです。
この想いを共有することができれば、相続はより円満なものになるはずです。
完全に円満という訳にはいかないにしろ、何も共有しないよりも確実に良いものになるでしょう。
少なくとも、目先の金銭だけにとらわれることはなくなると思います。
私は、これが相続で一番大切なものだと考えてます。
相続の情報というのは、調べればすぐに色々な情報が出てきます。
「これをすれば相続税が減らせる」
「これをやっておけば損をしない」
など、色々な対策をすぐに見つけることができるでしょう。
私もこういった対策の方法は理解していますし、実際に必要とあれば最も良い方法を提案します。
しかし、本当に大切なのは家族の中で『想い』を共有することです。
不必要な争いが起こらないように
極論を言えば、これができていれば相続税を納めようとも、分け方が不平等になっていようとも、私はいいと思っています。
親の想いが伝わらないで、家族の仲が悪くなるのが最悪の結果です。
私は、これを最優先に考えて相続の相談を行っています。
これができれば、100点満点の相続にできなくても構わない、というのが私の考え方です。
親と子の想いを共有することで、もしかしたらその場で意見が対立して争いになってしまうかもしれません。
でも、そうであってもなるべく早い段階でお互いがどう考えているのか、どんな想いを持っているのかをしっかりと伝える方が重要です。
取り返しのつかなくなる前に、です。
もちろん、円満に想いを共有することができればそれに越したことはありません。
親と子が想いを共有することによって、不必要な争いが起こらないようにする。
その為のお手伝いを、私はできればと思っています。