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相続対策で守るべき手順とは

最近、料理を始めました。

しかしまだ慣れていないので、こうすればあんな味になるだろうな、というイメージが乏しいです。

我流でやってみるのですが、なかなかうまくいきません。

ですので、キッチンにはレシピ本やクックパッドをいつも傍らに置き、分量や工程などきっちりと頼りながら格闘しています。

すると素人なりに、なんとかカタチになるものです。

相続においても、イメージするゴールに到着するためには守るべき順番があります。

これを守らないと、マズい結果になってしまう危険性がありますので注意が必要です。

相続対策の守るべき手順

物事には順序というものがあります。

相続対策をする際に守るべき手順は、

現状分析 ⇒  遺産分割方法の検討 ⇒ 財産評価圧縮の検討

と、私は考えています。

しかし、皆さんの目に入りやすい情報の多くは節税目的のものばかり。

不動産購入や賃貸アパート経営、仏具など非課税財産となる相続向け商材、節税効果を狙った生命保険…。

新聞広告や雑誌での特集は、相続向け商材の宣伝ばかり。

そのような理由からでしょうか、節税対策から取り組んでしまう方の実に多いこと。

なぜ順番が逆になるとマズい結果になるか、これから説明しますね。

人は損することが大嫌い

行動経済学の有名な理論のひとつとして、プロスペクト理論というものがあります。

その内容はシンプルに言うと、

「人は得をするよりも、損をしたくない思いの方が強い」

というものです。

得られる利益よりも、失うことによる苦痛の方が大きい。

と、人は感じやすいのです。

納税。

それは国民の当然の義務なのですが、なぜか損をしたような気持ちになってしまいます。

あなたはいかがでしょうか?

相続税を納めなければいけない…、できればそれは避けたい。

という心理状態になる人はとても多いようです。

という理由から、財産評価を下げるところから手をつける人が多いわけです。

ではそれの何が問題かと言うと、

評価を下げることに集中した挙句、納税資金がなくなってしまう

とか、

遺産が分けられなくなってしまう

ということがあります。

納税資金がなくなってしまう

相続税を納めたくないがために換金性のないモノに変えてしまう方がけっこういます。

例えば、不動産。

土地を買うことにより財産の種類を「現金」から「不動産」に変えれば、相続税の評価額は下がります。

なぜなら土地は路線価という、実勢価格の2割引きの金額で計算をされるからです。

おかげで税額は減らせました。

しかし納税するための現金がなくなってしまいました。

冗談のようですが、よくある話なのです。

また節税のためだけに、わざわざ借金までして賃貸アパート経営を始めることに、わたしは疑問を感じます。

相続税を減らせたけど、その他のコストでそれ以上にかかってしまうことはとてもよくあることですから。

遺産が分けられなくなってしまう

先ほどと同様、換金しずらいものに変えるデメリットとして、遺産が分けにくくなるということがあります。

財産を引き継ぐ人がひとりだけならいいですが、複数人いれば揉め事の原因にもなります。

もしも共同所有などすれば、管理するにも売却するにも、ひとりの判断ではできなくなってしまいます。

また、生命保険へ過大に資金移動をしすぎるのも注意が必要でしょう。

契約後しばらくしたら状況や考え方が変わったので解約をしたい、といっても、ほとんどのケースで保険会社へ払い込んだ額より少ない額しか戻りません。

節税対策をしたつもりが、単に資産を減らしただけとなってしまうかもしれません。

換金性が難しいものや、資産が目減りする可能性があるものへの資金投入は慎重に検討をしましょう。

地方ならではの相続対策

相続税額を算出する際には、計算上必ず差し引くことができる基礎控除というものがあります。

その額は、3000万円+法定相続人ひとりあたり600万円

これを遺産総額から差し引いた上で、残った額に対して税率を乗じて納税額を算出します。

ですから、少なくとも3600万円は遺産総額から引かれるわけです。

ご存じの通り、群馬県は大都市と比較すると地価が安いです。

したがって、首都圏と違って群馬で相続税の課税対象者となる人は、保有資産総額の中で不動産が占める割合は比較的少なめです。

(首都圏に不動産を持っている場合はその限りではありませんが)

ということは、預貯金などを多く持っているために相続税課税対象になっている方が多いわけです。

せっかくの分けやすい流動資産を、首都圏の相続対策を真似て換金しにくい不動産へと集中させてしまうのはリスクがあります。

地方には地方の相続対策があります。

都会と同じく考えるのは、いかがなものでしょうか?

どうぞ慎重に検討をしてください。

現状を知ることから始めましょう

相続対策を考える上で最初に始めることは、保有資産の棚卸しです。

節税から始めるのではなく、まずは自分の置かれている現状を把握し、亡くなった場合は遺産を誰に遺したいのか、それはどれくらいなのか。

遺産の行き先によって納税が発生するのか、またどれほどなのか。

いくつか遺産の行き先のパターンをシミュレーションしてみて、どのパターンが最も税額が少なくなるのか。

それから節税について考えてみましょう。

相続対策において最も大切なのは、間違いなく遺産分割についてですから。

ここを抜きにして、相続対策は検討できません。

冷蔵庫の中に材料がどれくらいあるか分からなければ、調理のイメージが湧かないのと同じですね。

下準備はとても大切ですよ。

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