
家族同士で話し合いができない、その理由
中学二年生の頃、今で言う学級崩壊、私のクラスはとても荒んでいました。
授業が始まっても生徒たちは休み時間とまるで変わらない様子で過ごし、おしゃべりは止まず、教室を自由に歩き回っている生徒もいました。
とてもまともな授業が行える状態ではありません。
クラスのみんなもそのままでいいとは思ってなかったのでしょうが、易きに流され、それを正そうとする声を挙げる者はなかなか現れませんでした。
そこへ勇気を出して立ち上がったA君、問題意識を強く感じての行動だったのでしょう。
このままではいけない、いまの状態が続いたら、これから先の高校受験にも影響が出てしまう。
みんながその意識をもって直さなきゃいけない、と。
しかしみんなの反応は、
「何ひとりでイキってるんだよ」
「自分だけいい思いしようとしてるんじゃないの?」
などの声にかき消され、結局改善することはありませんでした。
違う考えを持った人をまとめるって難しいものですね。
家族間での温度差
実は相続の現場でも、同じような状況が生まれることがよくあります。
問題意識を持っている人とまったく無関心な人とで分かれるということが。
これから相続を迎える、という家族間では特にです。
・親が亡くなったらいろいろな問題が起こるのでは?という危機感を持つ人
・何か面倒なことが起きるかも知れないけど、誰かが何とかしてくれるだろうと考えている人
・まったく無関心な人
・子供たちが話し合って解決するでしょ、と楽観的な親
関係者全員に意識の温度差が必ずあります。
しかしそれは当然のことでもあります。
なぜなら相続が発生するとどんなことになるのか、ということに対する知識の量がそれぞれ違うからです。
そして知識の量が多い、またはアンテナの高い人が危機感をもって相続の準備について声を挙げると、それ以外の感度が低い人たちから、
「なにひとりで張り切っちゃってんの?」
「遺産を多くもらおうと企んでいるんじゃないの?」
「兄貴って、昔からああいうところあるよね」
などと、冷笑されたり疑いの目で見られたりしてしまいます。
相続の専門家からよく聞く言葉
相続トラブルには、事前に準備をしておけば防げたケースがたくさんあります。
相続を専門に活動している税理士や司法書士や弁護士と話をしていると、よく耳にするフレーズがあります。
「事前に話し合いをしておけば良かったのにね」
「もっと早めにやっておけばよかったのに、今さらもう遅いよね」
意識の高い士業の方たちは、相続発生前に家族間で話し合い、迎える準備をする必要性について、とてもよく理解をされています。
しかし現実には、事前に話し合いと準備をしている家庭は極めて稀です。
何が問題なのか気づいていない
相続が発生したら多額の税金を支払うことが分かっている資産家の方は、その問題点が誰の目にも明らかになっているので事前にその準備を行っています。
しかしそれ以外の家庭では、将来どんな問題が起こるのか分かっていないので、話し合いも準備もできていません。
そして相続が起きてから問題が明るみになるのですが、「今さらもう遅いよね」になってしまうわけです。
話し合いができない理由
相続トラブルを防ぐには、家族間で現状を把握して、それについて話し合うことがとても大事です。
しかしそれを実行できる人はいません。
絶対に。
断言します。
なぜなら、
・誰がその呼びかけをするのか
・誰がその話し合いを仕切るのか
・そもそも何が問題なのか分からない
・まるで都市伝説のような情報や曖昧な知識がベースとなってしまう
・結局、声が大きい人の意見が通ってしまう
など、かえってギクシャクした関係を作り出してしまうからです。
第三者を交えて話し合いをする
ではどうすれば、理想的な家族同士での話し合いができるのか。
それは第三者である専門家を交えて実施をする、という方法です。
そうすれば誤った知識や情報に惑わされることなく、問題を共有することができるでしょう。
またその場に他人がいることで、誰かの独りよがり的な発言を抑える効果もあるかも知れません。
専門家選びの注意点は、相続の全体像について詳しい専門家に依頼することです。
すべての税理士が相続に詳しいわけではありません。
相続“税”については詳しいかもしれませんが、民法についてはほとんど分からない、という税理士もたくさんいます。
弁護士もそうです。
相続の訴訟については過去の判例からいろいろアドバイスをもらえるでしょうが、生前対策には疎い人がほとんどでしょう。
円満相続を迎えるために
私は、知識がないせいで不幸な相続を迎えてしまう人を少しでも減らしたい、という強い思いをもって起業しました。
誰もがいつか必ず相続と向き合うことになります。
そしてそれをきっかけに、ちょっとしたボタンの掛け違いで家族が揉めてしまったりします。
どうすれば家族がバラバラにならず、円満に笑顔で相続を迎えられるのだろう?
何年も考えて出した答えが、「私がお客様の家族会議を企画しサポートをして差し上げる」というものです。
意識の差を整え、温度差を整え、問題や課題を共有する。
これが円満相続への第一歩であり、一番の近道だと考えています。
もちろんこれだけで100点満点の相続が迎えられるとは思ってはいません。
ただ、何もしないよりは確実に良い方向へ向かう、ということには確信を持っています。
ご興味を持たれた方は、どうぞお問い合わせください。