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ナイショで親のカネを使い込む、被害から身を守る秘訣

「経理担当者が数億円横領しました。」

こういったニュースは、不定期ですが頻繁に耳にしますね。

実際、私の身の回りでも起きました。

私が所属していたある団体の会計担当者が、会員から集めた会費を使い込んでしまったのです。

毎年、会員が持ち回りで役員と各担当を変えるのですが、その方は会計担当を降りたがりません。

通帳を見せて、と言っても、のらりくらりと適当な言い訳をしていつまでも出しません。

厳しく詰めたところ観念して持ってきた通帳の中身は、すっからかん。

頻繁に出金している様子が、通帳で証明されています。

何を問いただしても無言。

反省している様子もあるのか、ないのか。

ただただ呆れるばかりでした。

いつか必ずバレる事なのに、なぜ他人のカネに手を付けてしまうのか?

きっと誰からも咎められることなく自由に使えてしまうことで、次第に自分のもののように感覚が麻痺してしまうのでしょう。

こういった使い込み事件は、きっと一生なくなることはないでしょうね。

実は相続の場面においても、似たようなトラブルがあるんです。

それは、親のカネの使い込み

とても頻繁に起きています。

使い込みのよくある事例

初めは親から買い物を頼まれたついでに、自分のものも少しだけ買ってしまう。

特に咎められることもなかったので、つぎはもう少々値の張る買い物をしてみる。

またもや何も言われなかったので、今度はこちらの買い物を目的として、親を訪ねるようになる。

次第に、頼まれてもいないのに親の口座から出金をして自分の欲しいものだけを買う。

とか、

親の認知能力が衰えてきたことを見計らって、大胆にも銀行ATMから一日の出金限度額を繰り返し何度も引き出す。

など。

真実は闇の中

相続をする人が複数いる場合は、遺産の分け方について話し合いの場を設けます。

そこで明らかになった預貯金の額を知り、

「もっとあったはずだ、こんなに残高が少ないはずがない」

「親の生活レベルを考えると、こんな頻繁に大金を出金しているのはおかしい」

などと、使い込みの犯人探しが始まって、話し合いがまとまらないことになります。

しかし口座の持ち主はすでに亡くなっているので、出金した人物の特定は難しいですし、

もし特定できたとしても。

「この出金は親から頼まれた」

と言われたらそれまでです。

使い込みを疑われるトラブル

また、本当に親のために使ったお金なのに、私的な使い込みを疑われてしまうケースというのもあります。

親と同居しながら大変な思いをして介護をしているのに、それにかかった費用というのは、介護に携わっていない人からすると、

「ホントにそんなにかかるの?」

と思われがちなんです。

「親の介護のためとか言って、実は自分のために使ったんじゃないの?」

という疑念を抱かれてしまったり。

思われるだけならまだしも、そんな言葉を言われた日には、

「こっちの苦労も何も知らないで!親の介護で大変な思いをしたんだから、遺産はその分多めに分けてもらえないと納得しないからね!」

と、遺産分け争いが始まってしまいます。

お金が原因のケンカは、収まったとしても必ずしこりが残りますよ。

あのときアイツはあんなこと言ってたからな、という記憶は消えませんから。

使い込みを防ぐためには

使い込みを防ぐためのアイデアを、いくつかご紹介します。

ひとつは、

親の口座の管理する当番を定期的に変える、という方法。

いわば、会計担当者をずっと一人にやらせない、ということです。

時折起きる企業での大型横領事件も、会計担当者が何年間も変わらないから起きているのです。

1年毎あるいは2年毎のように、親の口座管理人が変われば、使い込みがすぐにバレるので抑制効果があるでしょう。

または、司法書士や弁護士などへ依頼して、成年後見制度を利用する方法もあります。

これは認知症などで自身の財産管理ができなくなってしまった人の資産を守るため、法律の専門家に全面的に管理をお願いする、というものです。

成年後見人の許しが得られなければ親の口座から出金できませんから、しっかりと使い込みは防げます。

しかしこの制度には気を付けなければいけないポイントもあります。

例えば、

親のために使う目的でも簡単に許しが出ない、とか

いったん成年後見制度を導入したら、途中でやめることができない、とか

毎月かかる費用がそれなりに高額

などがあります。

詳しくはまた別の機会でお伝えをしますが、もし導入をするのならメリットとデメリットをきちんと理解し、慎重に検討した上で始めましょう。

円満な関係を保つために

そして使い込みを疑われないようにするには、

実際にかかった費用の領収証や買い物に費やしたレシートをきちんと残し、

一冊のファイルにまとめたり、ノートに貼り付けておけば安心ですね。

疑いを晴らす証明にもなりますし、どれだけ大変だったのかが介護に携わってなかった人にも伝わると思います。

そして介護に携わっていなかった人は、親の世話をしてくれたことに対して感謝の意を言葉で伝えるようにしましょう。

くれぐれも、

長男なんだから当たり前、とか

同居しているんだから当たり前、など

不用意な発言は控えて下さい。

余計なひと言は言わない。

その思いやりが円満相続の秘訣ですよ。

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