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認知症になったらもう手遅れ!生前対策の期限とは

私が39歳の時に父が亡くなったのですが、そのしばらく前から父は認知症を患っていました。

認知症の前段階と言われる軽度認知障害の期間を加えると、約10年間はその症状がありました。

その期間、結婚して実家を離れていた私は、介護のほとんどを母任せにしてしまったのです。

そのせいで、その頃は母もひどく体調を崩してしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

当時の私は、基本給ゼロ完全歩合制の保険営業マンとして転職したばかりだったので、安定軌道に乗せるためには仕事をおろそかにできない。

でも両親も大変な思いをしているので、サポートもしてあげなければならない。

そのバランス感が非常に悩ましかったですが、しかし結局は、時間のほとんどを仕事に割いてしまいました。

介護状態の親を持ちながら、私と同じような時間の割り振りになっている方も少なくないのではないでしょうか?

誰が介護をするのか。

多くの方にとって、深刻な問題になるかも知れませんね。

 

認知症が発症する確率

厚生労働省の発表によると、すでに2012年の時点で65歳以上の7人に1人と推計されています。

団塊の世代が75歳以上となる2025年には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症患者になると見込まれています。 

この割合を見ると、あなたのご家庭でも、どなたかがその症状と向き合うことになるかも知れませんね。

 

実際にあった、お客様のお宅でのできごと

 

以前、生命保険会社に勤務していた時に、保険金受取人を誰にするかについて、お客様の親子間で小競り合いになったのを目の当たりにしたことがあります

それは、財産は長男に継がせるのが常識だろうと考える親御さんの発言に対して、介護など身の回りのお世話をしている長女が普段から感じていた不平等感を爆発させたためでした。

家族の誰かが認知症になったとき、どのような方向で考えていくのかについて、事前に家族間で話し合いをしておけば、きっとこのようなトラブルの芽は摘むことできたのでしょう。

それが「認知症対策」への第一歩です。

 

それぞれの対策の期限とは

「認知症対策」の他にも、将来亡くなったあとに懸念されるトラブルを未然に防ぐ対策のことなどを総称して「生前対策」と呼びます。

いずれにおいても、『元気なうちに』対策をしなければなりません。

しかしこの『元気なうちに』というのが大切なポイントで、それぞれの対策には締め切りの期限があります。

それは『認知症が発症する前まで』です。

なぜでしょうか?

 

認知症になってしまったら、すべての手続きができなくなります

話し合いや検討をした結果、どのような方策を選択するにも、しかるべき手続きが必要となります。

例えば、

自分の財産それぞれを、分けて子供たちに遺したい ⇒ 遺言書の作成

家や土地を、贈与または売却をしたい ⇒ 贈与契約書、売買契約書への自署

生命保険に加入したい ⇒ 生命保険申し込み手続きでの自署と健康診査受診

お世話になった施設に寄付をしたい ⇒ 死因贈与契約、信託契約への署名

などなど。

何をするにも、遺す本人の意思表示が絶対に必要だからです。

本人に代わって、家族の誰かが代理でその手続きを行うことは一切できません。(成年後見制度というものがありますが、これはまた別の機会にお伝えします。)

つまり認知症になると、本人が意思表示をできない以上は、相続が発生するまでの間はすべての対策ができず、起きた後に手続きをただ粛々と行う以外には何の手だてもないのです。

 

実際にあった義母の実例

昨年亡くなった私の義母は、晩年、認知症を患っていました。

病気のせいで時折激しい言葉の表現をする時期もありましたが、基本的にはとても穏やかで、優しい表情を見せてくれる人でした。

また、とても人懐こい人でもありました。

おかげで様々な営業マンから商品の購入を勧められることも多く、いつもそれに応え、たくさんの契約をしていたようです。

なので複数の証券会社から、株や投資信託などをはじめとした、たくさんの金融商品を購入していました。

その中身を見ると、それどこの国ですか?というような聞いたこともない外貨建ての商品や、ちゃんと理解できてます?と思うほど投資リスクの高い商品も含まれていました。

それを契約した時期をみると、判断能力が衰えてきた義母の人の好さや弱みに付け込んでセールスをした、販売側のモラルに疑念を感じるものが一つや二つではありません。

しかし認知症となったら、解約の手続きもできません。

また、義母は親から相続された土地を持っていたのですが、名義を変える登記が済んでおらず、もはやどういう経緯で、土地の境界はどこからどこまでで、何平米が自分の持ち分なのか聞き出すこともできませんでした。

登記が済んでいなかったせいで、土地の分け方について、ほとんど付き合いのない遠い親族と話し合いをしなければなりませんでした。

幸いなことにいわゆる“争族”にならなかったので良かったのですが、元気なうちにいろんなことを聞かせてもらっていれば、様々な対策ができる可能性は大いにありました。

ですから、

「生前対策」は生きている間にやればいいんでしょ?

これは大きな間違いです。

「生前対策」は、本人の意思表示ができうちに済ませる。

これが正しい考え方です。

どうぞ覚えておいてくださいね。

もし具体的に何をすればいいのかよくわからない場合は、ご相談を頂ければと思います。

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