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会社への貸付金、なにか問題ある?

プロフィールページにも書かれていますが、私は義父が創業した会社の二代目として事業を経営していました。

毎月の売上金額の増減は穏やかな業種だったため、私が引き継いでからは日々の資金繰りにそれほど苦労はしませんでしたが、先代の頃はそうではなかったと思います。

オイルショック、バブル景気、そしてバブル崩壊からの失われた20年。

事業を発展させながら継続することは、容易いことではありません。

時には資金繰りが厳しいときもあったのでしょう、

引き継いだ際に受け取った決算書を見ると、多額の「役員借入金」がありました。

役員借入金とは

役員借入金とは簡単にいうと、「会社が社長から借りているお金」です。

従業員の給料や取引先への支払いができない、または自分の給料が出せない、となった時に、自分の財布から会社へ貸してあげる

というのが一般的な構図でしょう。

個人の財布と会社の財布の線引きが、良くも悪くも寛容・・・。

実際はこんな財務状況になっている会社も多いのではないでしょうか?

役員借入金がある場合の問題

税理士から聞いた話だと、帳簿上で役員借入金がある会社は大変多いそうです。

そうなった背景はそれぞれでしょうが、ではこれがあると何が問題なのか?

相続の観点で言うと、会社への貸付金は相続財産になります

それがどう問題なのかというと、相続税が払えなくなる可能性もあるということ。

例えば、

社長個人が経営している会社に対して3000万円の貸付金がある。

個人として持っている資産は、

土地と家屋で1000万円

現預金で1000万円

経営する自社の株で1000万円

だとします。

相続税の基礎控除は3000万円なので、土地家屋と現預金と自社株を足しても3000万円ですから、相続税の納税はないようにも思えます。

しかし実は会社への貸付金も財産として計算され6000万円となるので、相続人の数によっては納税が発生します。

返ってくる見込みのない財産にも税金はかかるのです。

借りている会社が3000万円の貸付金を返してくれれば問題ありませんが、ほとんどの場合それは難しいでしょう。

なぜなら、それができるならとっくに返してもらっているでしょうから。

また会社に返せるほどの現金があったとしても、これから先の経営を考えると難しい判断になりそうですね。

では、どうすればいいのでしょうか?

いくつか方法が考えられるので、以下に述べたいと思います。

債務免除

ひとつは債務免除という方法。

会社の借金を棒引きにするという方法です。

こうすれば、相続人は相続税の支払いから逃れることができそうです。

ただし会社からすると、返さずに済んだ分が「儲け」になるので法人税の負担が大幅に増える可能性がでてきます

ですから大きく赤字になりそうな期や、繰越欠損金という赤字の累積が貯まっているときに行うべきでしょう。

貸付金の贈与

他には、貸付金を贈与するという方法。

後継者がすでに決まっているのであれば、その後継者に債権(会社への貸付金)をあげちゃう、という方法です。

これなら後継者が社長に就任してから財務状況を見ながら経理処理をしていくことができるので、時間を稼ぐことができますね。

ただし後継者だけが利益を受けることになるので、他の相続人から不満が出ることも予想されます。

遺産相続争いのモトにもなるので注意しましょう。

また1年間に110万円を超える額を贈与すると、もらう側が贈与税という税金を払うことになる、ということも覚えておいてください。

効果的な相続税節税対策の贈与スキームは年数を要するので、贈与する側の年齢と贈与額のバランスを考慮する必要があります。

役員報酬の引き下げ

他には、役員報酬(給料)を引き下げて、下げた分を会社から貸付金の返済として社長が受け取る、という方法もあります。

役員報酬が下がれば、会社と個人で負担をしている社会保険料も抑えられますし、個人が負担している住民税も少なくなります

デメリットは・・・年収が少なくなってカッコ悪い、ということでしょうか(笑)。

あとは納める保険料が少なくなるので、将来の老齢年金受給額が減ってしまう。

というのはありますが。

しかし負担感の強い社会保険料の節約にもなるし、将来の相続の心配事が減るということも考えれば、メリットの方が大きいと私は思っています。

貸付金がある社長は、積極的に役員報酬額を見直した方がいいと思います。

会社を清算

貸付金を返せる見込みがない、将来の業績に不安要素が多い、後継者がいない。

このような状況でしたら、思い切って会社を清算するというのも、ひとつのアイデアかも知れません。

先ほども述べました通り、借金を棒引きにされた会社はその分の「儲け」が出ますからそれに対して法人税が発生しそうですが、清算する会社には「期限切れ欠損金の特例」というもので課税を抑える制度もあります。

これによって、相続税の発生が回避できるかもしれませんね。

先延ばしをせずに税理士へ相談

いずれの方法を採用するにも、現状と将来を把握していなければなりません。

そのまま放置をせずに、税理士に相談をして対策について話し合ってください。

こちらから相談をしないと、相続の際の問題点が浮き出てきません。

多くの税理士は、納税の代理と税務書類作りが業務の中心なので。

経営者の方からよく耳にする「税理士に任せてあるから」というセリフ。

任せっきりは危険です。

将来のトラブルを未然に防ぐアイデアを積極的に教えてくれる税理士は少ないですから。

相続の分野に詳しい税理士とおつなぎすることもできますので、興味を持たれた方はどうぞお問い合わせください。

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