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知らぬと大変!?相続放棄とは

すでに事業譲渡をしましたが、私は、自動車が車検に合格する基準を満たしているかのチェックをするテスター屋(予備車検場)と呼ばれる商売を以前経営していました。

自動車の新規登録や継続車検を行う陸運局という施設のすぐ近くに店舗を構えていました。

車検に持ち込んだものの検査不合格となってしまった方の駆け込み寺のような存在で、なんとか当日中に合格ができるよう車輌を調整して差し上げるサービスです。

ですから陸運局とまったく同じ設備がないと商売にならないので、検査機器類を定期的に入れ替えていました。

その機器類が高価なんです。

ヘッドライトの光軸調整用機器は300万円以上、スピードメーターとブレーキテストの機器は約1000万円など。

それを複数台設置していました。

購入の際には銀行で融資を受けるのですが、融資担当者に必ず言われるのは、

「社長を連帯保証人につけてください」

ということ。

そうしておけば、もし会社が傾いたとしても、銀行は融資額を取りっぱぐれることはありませんからね。

では、もし返済途中で私が亡くなってしまったら、どうなってしまうのでしょう?

以下で詳しくお伝えをします。


連帯保証人の借金は相続される

連帯保証人とは、主債務者が返済できなかった場合、主債務者と同等の義務を負い返済する人のことです。

つまり連帯保証人になった瞬間、借りた本人と同じ扱いになるということ。

では私が連帯保証人になっていた会社の債務を返済することなく亡くなったら、この借金はどうなるのか?

おそらく銀行は、次の会社代表者を連帯保証人として求めてくるでしょう。

しかし弊社の場合は後継者がいなかったので、そのまま廃業になったと思われます。

すると会社の借金=私の借金なので、私の相続人に引き継がれます。

私の妻が返済をしなければいけないのです。

その場合、銀行が「まとめて一括で返済してください」と言ってきても逆らうことはできません。

将来にわたって妻が返済できる保証はないですからね。

経営者の相続にはこのような注意が必要です。

連帯保証人となっている債務があるか、ということは事前に家族間で共有をしておきましょう。


すべてを引き継がない相続放棄

先ほどの例のように、経営していた会社の借金を個人で相続してしまうため、マイナスの財産の方が多くなってしまった。

このような場合は、相続放棄という方法を選ぶとよいでしょう。

これはプラスの財産もマイナスの財産もすべてを放棄する、というものです。

残された家族たちが負の遺産を引き継ぐ必要がありませんので、安心して生活ができることでしょう。

ほかのコラムでも述べましたが、生命保険の保険金は民法上相続財産に含まれません。

相続放棄をしてもきちんと受け取れますので、会社でかけている生命保険契約を上手に生かせたらいいですね。

たとえば、生命保険の契約者を会社から社長個人に契約者変更して、保険金の受取人を家族にする、そして相続放棄はするが保険金を手元に残す、というアイデアも考えられます。

もちろんこれは、相続が発生してからでは間に合いません。

生前に相続が起きた後のことをきちんとイメージをして、事前に手続きをしておく必要があります。

知識がないことによって、数千万円単位のお金を失ってしまう可能性もありますので気を付けましょう。


一定の範囲内で引き継ぐ限定承認

亡くなった人の借金の額が分かっていて、遺される財産よりも多いか少ないかが明確ならよいのですが、借金の総額がはっきりしなくて不安なケースもあると思います。

その場合は、限定承認という手続きを取っておくとよいでしょう。

これはプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐことを前提にする方法です

たとえば、土地建物や預貯金などプラスの財産が3000万円だとします。

そして借金が2000万円だった場合は、1000万円の財産を引き継げます。

しかしこの手続きをしておけば、1億円の借金が出てきても3000万円まで借金を払えば、残りの借金は払わなくていいことになります。

これなら安心ですね。

ただし限定承認は相続人(引き継ぐ人)全員が合意をして共同で行う必要があります。

みんなの足並みが揃わないとできませんから、速やかに家族会議を行わないといけませんね。


タイムリミットは3か月

「相続放棄」「限定承認」とも、この手続きをするには締め切りの期限があります。

相続があることを知った日から3か月以内です。

この期限を過ぎると「単純承認」といって、無条件で全財産と全負債を相続することになります

この3か月間のことを「熟慮期間」というのですが、ホントあっという間に過ぎていきます。

どうにも間に合わなそうだ、という場合は、熟慮期間を延長する手続きを怠らないように気を付けましょう。


先延ばしする暇はない

イメージしてください。

亡くなった後は、病院での手続き、葬儀の打ち合わせと執り行い、各役所への申請や手続き、各種名義変更の手続きなどが待っています。

そのほかに、相続財産の洗い出し作業。

各金融機関の預貯金の把握、土地の所在確認や登記事項の確認、保険金請求手続き、そして借入金総額の調査…。

やることは山積みです。

面倒で先延ばしにしたくなるかと思います。

しかし、そうはいかないのが相続なんです。

あとが大変になるだけです。


限られた時間を有効利用しましょう

皆さん全員が相続の手続きだけに時間を使う訳にはいきません。

当り前のことですが、仕事など普段の生活がありますから。

きっと一堂に集まる機会は限られてしまうことでしょう。

また、相続人全員が揉めることなく同じ方向を目指して話し合いが進むならいいのですが、人は感情の生き物ですので、そうはいかないこともあるでしょう。

前もって意思の統一をしておけば、限られた時間を有効に使えると思います。

しっかりと家族間で話し合いの場を設けられたらいいですね。

私は、家族会議を支援するサービスも行っておりますので、興味がある方はどうぞお気軽にお問合せ下さい。

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